支える・・・曲尺たった1本で竪水と横水、勾配を描き丁寧にこれを切り出し、寸分の隙間なく組み繋ぐ。
「組物」
斗や肘木を巧に組むことで、上部から架かる加重をバランスよく合理的に集約、分散させて下方へと伝えるためである。
もちろん釘などはいっさい使わない。
工匠たちは、木という生き物としっかり向き合う。 そして墨付けの段階から、ひとつ一つの部材がどのような状態に納まり、力学としての役割を成し、それがいかなる意匠美を見せるのかまでをすべてイメージしながら仕上げていくのだ。
こうして精緻なる魂が美しい木組みに息づいていく。
■竪水=垂直のこと。
■横水=水平のこと。
■墨付け=切り出し及びきざみのための線引き。
体・・・名匠たちの技と勘、そして近代建築の知能と技術がひとつに融合したとき、それは過去から現在、未来へと続く長い時間軸上の系譜となる。
設計監理はもちろん部材選定や買付けにいたるまで一貫して独自の目と手によって行なわれる。いつの時代も変わらぬもの、急速に進化するもの。この双璧の間から、未来への新しい遺産は生み出されていくのである。
1.石工事完了間際
3.建て方作業開始
5.斗供組み建て完了
7.化粧軒取り付け作業
9.野垂木取り付け完了
11.瓦桟取り付け完了
13.大棟棟取り付け作業
15.壁下地塗り時
2.建て方準備
4.斗供組み建て作業
6.破風板取り付け作業
8.野垂木取り付け作業
10.野地板貼付け完了
12.本瓦葺作業
14.壁下地完了
16.完成